ギャンブル施設で働く人の仕事には多くの種類がありますが、そのなかでも花形といえるのはカジノディーラーです。
専用の衣装に身を包み、凛とした佇まいでゲームを進行する姿を格好いいと思う人も多いでしょう。
全体的な立ち位置は目立つことのない黒子といえますが、それと同時に空間の魅力を引き立てるパフォーマーでもあるのです。
実際に行う作業は多種多様であり、かなり多くのことを覚えなければなりません。
代表的なのはカードを配布したりルーレットを回したりするアクションですが、その他にもあまり目立たない作業が多く存在します。
たとえば、ゲームごとにチップを渡すのも彼らの大切な仕事です。
しかも単純に渡すだけでなく、配当が正確になるように計算する必要があります。
後から間違えを指摘されると大きな問題になり、不正行為として摘発される事態になりかねません。
次のゲームに支障が出ないように、迅速に計算から配布まで終わらせることが大事です。
つまり、経営状態を左右しかねない重要な職業というわけです。
そのため、誰でも簡単に就ける仕事ではありません。
上記のような細やかな事務能力が求められるうえに、手先の器用さも十分に持ち合わせている人のみ採用されます。
一挙手一投足に少しも無駄を感じさせないのはもちろん、プレイヤーを魅了するような手さばきなども必要です。
したがって、多くのカジノではスキル面において厳しい審査を設けています。
日本にいると分かりにくいですが、カジノが合法な国ではカジノディーラーは真っ当な仕事として認知度が高いです。
憧れる若者も多く、仕事にするための競争率はかなり高いといえます。
その狭き門を見事にクリアしても、職業として続けていけるかどうかは別問題です。
自分の振舞いの良し悪しによって集客力に影響が出ることを理解しなければなりません。
もし売上が落ちてしまえば、すぐに首を切られる事態も十分にありえます。
その事態を避けるには、顧客満足度を高める視点を持つことが欠かせません。
すなわち、他の接客業と同じようなスタンスで対応していく必要があります。
少なくとも、己に酔いしれて自分本位に振る舞うのは大きな誤りです。
もしカジノディーラーとして働くなら、顧客に対する心配りは臨機応変に行いましょう。
たとえば、初めて遊ぶという人はルールをよく把握していないケースがあります。
その場合は詳しく教えてあげるのが正解と思う人もいるかもしれません。
しかし、実際にそうするとゲームの進行を止めてしまい、ルールを熟知している人に迷惑をかけてしまいます。
だからといって、初心者を放置すると新規顧客の獲得につながりません。
誰もが楽しめるように配慮しながら、このような状況も乗り越えることが求められます。
こちらのケースであれば、そっと初心者用のコーナーに案内するといった対処法が無難です。
もしくはトークで場を盛り上げながら、全員で初心者を見守るような雰囲気を作り出すといったテクニックもあります。
ただし、この方法を選べるのは、他のプレイヤーが和やかな性格の持ち主の場合のみです。
そのため、ゲームを進行させながらプレイヤーを観察する力も必要になります。
このような観察と不正を防ぐための監視を同時に続けなければなりません。
つまり、手先だけでなく意識も含めた全てにおいて器用であることが大切です。
それでいて殺伐とした雰囲気を出さないように注意しなければなりうません。
これまでカジノディーラーになる日本人は非常に稀でした。
そもそも国内には存在しない仕事なので、海外移住や国外労働の問題をクリアしなければなりません。
海外では数万人がその職に就いており、日本人の割合は0%に近いといっても過言ではない状況です。
しかし、その現状が大きく変わるのは間違いありません。
なぜなら日本でもカジノ合法化によって、カジノディーラーがたくさん必要になってくるからです。
合法化しても施設自体が多くないので、それほど雇用があるとは思わない人もいるでしょう。
基本的にカジノは24時間営業なので、1つの店舗でも複数の人を雇用しなければなりません。
さらに、ゲームの数が多いほどその数は膨れ上がっていきます。
たとえば300台のテーブルがあった場合、各テーブルを3人で回していくなら雇うのは900人です。
それだけ多くの人に対して教育を施さなければならないという実情もあります。
これを見越してすでに育成をスタートしている事業者も珍しくありません。
日本向けにカジノスクールを設立して、卒業生を国内のカジノに投入する準備が着々と進められているというわけです。
一朝一夕で教育するのは不可能なので、このような動きは今後ますます加速していくでしょう。
高いスキルを持つようになれば、いろいろなカジノからオファーが来るケースもあります。
カジノディーラーとして活躍したいなら、今から育成してもらう方法を検討するのが得策です。